問答と学び

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種族としての人類の存在意義をSF小説から考える

歴史と種族としての生物学が面白い。ある種が別の種を生み出す経緯を描いたものだ。実証研究に基づいた書籍が多いが、実は、SF小説からのアプローチもある。

 

人間(正確にはホモサピエンス)の今後の進化について、どんなふうに考えたことがあろうだろうか。技術が進歩し、社会の仕組みが変化し、人口が増え、…のようなストーリーはよく耳にする。

 

こういった典型的なストーリーの前提には、人間の種族としての生物学的な進化は含まれていない。もうこれ以上の種族は生まれてこないのだろうか。人類は、人類でないより高次の存在を生み出さないのだろうか。

 

そんなことを深く考えて書かれたSF小説がある。

 

 

幼年期の終り

幼年期の終り

 

 

 著者のアーサー・C・クラークの名前を聞いたことがあるかもしれない。SF小説の大家で、映画「2001年宇宙の旅」の原作者でもある。

 

概要を極々簡単に紹介する。

・宇宙人が地球に来る。人類を安寧に導くような平和的な施策を実行するが、真の目的は伏せられたまま。人類は平和を享受し、その黄金時代が到来する。

・黄金時代は、人類の中から「より上位の種」が生まれだすことによって終焉する。この種は、物理的な障害を超え、その精神を他の個と融合し、自我を失った存在となる

・この次の種を生み出すことが、宇宙人の真の目的だった。人類は、その生態系の頂点を新たな種に譲り、滅亡する 

 

幾つか紹介したい文を抜粋してみよう 

 

一つは、平和になった人類の黄金時代における、人々の生活の描写だ。もはや労働に時間を割くことなく、娯楽にずっと興じている。

 

あなたはこの事実に気づいていますか? 一日じゅう眠らず、ほかのことはいっさいせずにラジオ、テレビにかかりきっていても、毎日スイッチをひねるだけで出てくる娯楽番組の二十分の一も見聞きできないのですよ! 人類が受動的なスポンジに──呼吸するばかりで決して創造しない動物になってしまったのも不思議はありません。現在、一人あたりの平均視聴時間は、日に三時間にもなっておるという事実をご存じですか? このままでいくと、近いうちに人間は、自分の人生を生きることをやめてしまうかもしれない。テレビのシリーズものに遅れないようについていくのが、一日がかりの仕事ということにもなりかねんのです! 

 まるで、今のコンテンツ氾濫を予言したような文章ではないだろうか。例えばネットフリックスには、1日中見ても終わらない量の映画やドラマが毎日追加されている。我々は、この「受動的なスポンジに──呼吸するばかりで決して創造しない動物に」近づいてはいないだろうか。進化どころか、これではむしろ退化だ。

 

ラシャヴェラクは口ごもった。一瞬、言葉に窮しているようにさえ見えた。 「そうです、われわれは産婆です。しかしわれわれ自身は 石女 なのだ」  その瞬間、ジョージは自分が大きな悲劇に相対しているのを悟った。

ラシャヴェラクは宇宙人側で、ジョージは人類側。 ジョージがラシャヴェラクに、地球に到来した真の目的を質した時の会話だ。「石女」など、ここでは少々古い偏見が残った表現になっていることは否めない(執筆は1953年)。

ある種が次の種を生めないからといって、それは悲劇なのだろうか。人類社会でも、様々な理由によって自分の生物学的な子を希望しながら持てない人はいる。そのような条件でも、つまり個としての遺伝を次世代に残せなくとも、社会全体に貢献して充実感を得ている人は沢山いる。

これと同じことが、人類社会全体でなく、宇宙全体にも言えるのではないだろうか。ラシャヴェラク、そしてその地球へ到来した種は、決して悲劇を演じている訳ではない。

 

われわれの精神力は発達の極限に達した。そして、現在の形態では、地球人類のそれも、また限界に達している。しかし、地球人は今後、まだ次の段階に飛躍する余地を残している。そしてこれが、われわれのあいだに横たわる根本的な相違なのだ。われわれの潜在能力はすでに枯渇してしまった。

これは宇宙人側から発せられたセリフだ。

種族としての精神力の発達の極限、というものをどのように確認できるだろうか。例えば、芸術や科学、政治の進歩が見られなくなることだろうか。個人としてある特定の分野においては発達の極限を感じることはあるが、種全体としては、感じ得るのかが疑問に残っている。

そもそも精神力をどのような生物も持ちあわせているだろうか。ここでいう精神力とは何を指すのかも不明だが、考えることは多い。

 

 

ラストシーン近くも色々と書きたいことはあるのだが、ここでは控えることにする。興味を持っていただいた方には是非読んで欲しい。

 

 

幼年期の終り

幼年期の終り

 

 

 

 

 

 

 

 

痩せるためのマインドセットと幾つかのTips

痩せるための方法論は、百家争鳴のごとく、雨後の筍のごとく、山程出てくる。今回は、具体的な食事や運動の方法論の前にあるべき、マインドセットについて考えてみる。その後、個別のTipsについても触れる。参考文献は、以下。ちなみにわりと語り口調がぶっきらぼうなところも、本書の特徴だ。

 

 

痩せない豚は幻想を捨てろ

痩せない豚は幻想を捨てろ

 

 

 

ダイエット思考

 

まずは頭の中から痩せよ、という事である。お前らが痩せない根本的な原因は、思考が止まってしまい、「ダイエット思考」になっていないからである。  

 

行動よりも先に思考がある。ここでいうダイエット思考とは、ダイエットというものを正しく理解した思考のことで、要するに「知識をしっかり身につけて苦労しながら行うのがダイエット」と認識することだ。

 

人はすぐに楽な方に流される。けど、どう考えても楽には出来ないと、誰もが認めることも世の中にはあるだろう。勉強だってそうだし、スポーツもそうだ。そこにダイエットも加わる。何か裏技を使えば成果が出るようなものではないし、適当にやれば上手くいくものでもない。

 

「体で何が起こって何故そうなるのか、まず調べて、それから取り入れるか考えよう」と思考を働かせる事こそ、ダイエット成功への第一歩だ。要するに、受動的ではなく能動的な姿勢でダイエットに取り組む必要がある。

 

マーケティングが上手なダイエット商品を無批判に買うようなことは止めて、地道に勉強して苦労しながら前に進むしかないのだ。また、知識だけ貯めても仕方がないのはその通りで、自分と相性が良いやり方を考えながら試していくことが大事といえる。

 

ここからはTipsを幾つか書いていく

 

幻の食欲に騙されない

食欲が出るのは、本当に栄養が必要なときではない。体の勝手な単なる習慣で、お腹が空いてるような気がしているだけだ。これを幻の食欲という。

 

幻かどうかをどうやって見分けたらいいだろうか。一つのやり方としては、栄養素に対する味覚の感じ方だ。幻ではない真の食欲の場合は、普段は美味しいと感じない食材でも、本当に魅力的な味として感じる。パサパサのサラダチキン、ドレッシングもかかってない野菜などが、贅沢な料理のような味がするものだ。

 

逆に言えば、美味しくないただの健康に特化した食材だなと感じているうちは、幻の食欲に騙されているだけなのだ。そういう場合は、もっと我慢できたと認識して、次こそはと態度を改める必要がある。例えば10分ほど我慢した上でも、まだ食欲がある場合にのみ食べてみようとするなどが良い。

 

このやり方だと、食べてみないと分からないことが欠点といえば欠点。そもそも幻の食欲を起こしづらくする方法もある。ずばり、タンパク質が多く含まれている飲み物がオススメだ。ただし、糖質が含まれていない方がいい。要するにプロテインドリンクがよい。

 

糖質が含まれていると、飲んだ後に血糖値の増減がある。血糖値が下がる時に空腹を感じる仕組みにもなっているので、できるだけ糖質は避けよう。

 

そう考えると、コンビニに置いているプロテインドリンクは使いづらい。結構糖質が入ってるからだ。

自分でスティック形状などのプロテイン容器を持ち運んで、さらっと飲んでしまえばいい。どうせ複数回プロテインを飲まないと、タンパク質が足りない人が殆どなのだから(体重1gあたり、タンパク質1.5-2gが望ましいとされている。)

 

糖質は1日1食まで

ちなみに本書では、糖質制限が初心者には勧めされている。糖質は一日80g-120g位までが望ましいとのことだ。ざっくり一食分くらいと思ってもいいだろう。付き合いや出張などで糖質をとらざるを得ないシーンもあるだろうが、1日でそういう食事は1食くらいに収められることも多そうだ。

 

糖質制限とよく比較される脂質制限だが、こちらは栄養バランスも食材の取捨選択も難しい。どうしても糖質を十二分にとらないとダメと言う人以外は、最初から試す必要はないだろう。

 

今回は以下のトピックについて書いてみた。もっと知りたい場合、詳細は参考文献を読んでみてほしい。

 

 

 

痩せない豚は幻想を捨てろ

痩せない豚は幻想を捨てろ

 

 

 

 

 

 

 

脳内物質のハックは現実にできる?

よくSF小説などで、自分の脳内物質の生成を制御しているシーンに出くわすことがある。一瞬で、強いストレスを消したり、痛みを感じなくしたり、筋力をいつも以上に出せるようにしたりする。SF的には、脳内にナノマシーンを入れておいて、それが上手いこと制御してくれることになってたりする。

 

これはあくまでSFの話で、現実にはまだそこまで科学技術は進んでいない。ナノマシーンの脳内導入は、様々な実験やスタートアップがあるものの、人類への普及という点では、まだまだ端緒についた段階に過ぎない。

 

脳内物質の人工的な制御はまだ完成していないけれど、自然的・動物的な制御については、かなり解明していることがある。ここでいう「自然的・動物的」とは、要するに動物的な日々の生活、例えば起床・睡眠パターンや、食事、運動などの変化によって制御することを指している。

 

以下の本では、ドーパミンなどの具体的に存在する7つの脳内物質を、人手で動物的に制御する方法が示されている。非常に簡単でちょっとお金もかからない、良い方法だらけなのでお勧めだ。

 

 

脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法

脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法

 

 

 

 

PDCAを回してドーパミンを出し、幸福度を増す

 

ドーパミンがでると、幸福度が増すことが分かっている。

ではどうすればドーパミンが出やすいか?簡潔に言うと、PDCAを回すことだという。

 

ドーパミンは、目標の達成に関係するタイミングで生成される。達成時点だけでなくて、目標を立てた段階でも生成される。目標を立てずに、後で振り返ってこういう目標だったことにしよう、と考えた場合は、うまく生成されない。そのため、細かく目標を事前に立てる習慣をつけることが重要だ。

 

以前から欲しかった高額なものを「自分へのご褒美」としてプレゼントする。これが次の目標の実現のために、大きな意味を持つのです。

 

と本書に書かれている。達成を脳に強くインプットするためには、具体的な報酬を予め設定しておくと、より効果的ということだ。

あまり「自分へのご褒美」を良しとしていなかった人は、これからはトライしてみたらいいだろう。あまり貧乏くさいと、幸福度がよけい感じられなくなりがちなのかもしれない。

 

PDCAを回すことに以外にも、ドーパミンを生成するのに役立つTipsがある。とても簡単な話で、要は運動することだ。

トレーニングのあとだと、身体は疲れているものの、頭は非常にスッキリしているのです。目覚めたばかりのような清々しい状態です。

 

 との通り、身体は疲れるが、脳からは幸福物質が出て、精神的に大変調子が良くなる。そもそも運動は、他の脳内物質、例えばアセチルコリン、セロトニン、エンドルフィンなどの分泌も増やす、万能の活動といえる。ただし運動はタイミングが重要だ。

 

寝る直前、具体的には入眠の2時間前までに運動を終えておかないと、別の脳内物質のアドレナリンが脳に残って睡眠を邪魔してしまう。睡眠中は身体を癒す脳内物質のメラトニンが出る大事な時間帯で、それを邪魔してまで運動する必要は全くない。くれぐれもタイミングに注意したい。12時入眠なら10時までに運動を終える、10時までに寝たいなら8時まで、と各自で計算して、睡眠の質を担保しつつ運動の利益を享受していこう。

やる気スイッチはセロトニンでオンになる

たまに「やる気スイッチが押されない」という表現を目にすることがある。まるで、神のような超越的な存在だけが自分の気分をコントロールしているような表現だ。でも現実はそうではない。セロトニンという脳内物質が、やる気をコントロールしている。そしてこのセロトニンの生成は、自分で工夫することで分泌されやすくなる。

 

まず、自然の摂理として、セロトニンは朝にたくさん分泌され、夜にかけて段々と減るという仕組みがある。朝の方が頭がすっきりしていて、夜はなんだか疲れていることも、セロトニンの分泌量と関係している。

 

朝にこそ、最も重要な仕事を片付ける時間帯だ。満員電車での通勤なんかに費やしている場合ではない。私のオススメは起きたら食事よりも前に、まず家で仕事をすることだ。起床してから2−3時間が最も集中できる時間帯なので、それ以後で少し集中力が切れた段階で、家事を行い、それから通勤する。このようにすることで、仕事のアウトプットが圧倒的に増加するので、ぜひ試してみてほしい。

 

今回はドーパミンとセロトニンの2つの脳内物質について説明したが、本書では他の5つについても解説されているので、興味を持ったら読んでみてほしい。

 

サマリー

・生活のパフォーマンスに直結する脳内物質は、コントロールできる

・幸福度につながるドーパミンは、目標を立てて達成することで生成される。自分でご褒美を設定しておくのもよい。小さな目標でも十分に生成される。

・やる気を出すセロトニンは、朝が最もたくさんある。重要な仕事は、通勤せずに家で起床後すぐに取り組んだほうが、パフォーマンスが圧倒的に増加する

 

 

脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法

脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法

 

 

 

 

 

 

 

手早く仕事をやっつける習慣とは

誰もが追い求めるテーマの一つ。それが仕事の時短化。今回は以下の書籍をベースに、重要なポイントを考えてみる。

 

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

 

 

 

段階的に仕事の完成度を高める方法とは

 

最も重要なポイントは、手早く8割の完成度まで仕上げるということだ。

なぜなら、

・早めに手をつけることにより全体の難易度がわかる

・残り2割を詰めるのは、最初の8割を仕上げるのと同じかそれ以上の労力を必要とするためだ。

・さらに言えば、他人によるアウトプットのレビュー後、やり直す箇所が必ず発生する

ため。

 

最後の点について付記する。アウトプットを正確に予測して発注できるクライアントは、大変稀な存在。大抵の場合、クライアントというのは、出来上がったモノを実際に目にすれば色々と注文をつけてしまうのなのだ。だから、最初から完璧な成果物を作ろうと考えても徒労に終わることが殆ど。

 

もちろん、締切当日に8割の完成度で終えるのではない。事前レビューを踏まえ残り2割を詰めるための時間を予め準備しておいて、締切には10割のアウトプットをだす。

 

そのためには、10割のアウトプットを出す最終締切だけでなく、8割の完成度で仕上げる1次締切をしっかりと決めておくとよい。締切は常に二つ、をキーワードにしたい。

 

あるべき着手タイミングとは

 

8割の完成度まで一気に仕上げるタイミングだが、自分自身のリソースに余裕があるときに限る。というのも、リソースがない中で仕事をすると焦ってしまうが、その焦りが生産性を実は下げてしまうからだ。締切間際のほうが集中力がでると思っているかもしれないが、大きな間違い。仕上げの時間が大きく不足する。

 

大抵の人は、常に複数の案件を抱えているだろう。そういった場合、各案件に集中するタイミングは計画的にずらしていく必要がある。一気に仕上げるには集中力が必要だが、マルチタスクは気が散って生産性がどうしても下がる。また、マルチタスクの方がシングルタスクよりも脳が疲れやすいことも知られているので、やらない方が全体的な生産性は高まる(以下の過去記事を参照)。

 

 

www.mondo-manabi.com

 

そもそもどうやって手早く終えられる仕事を持つか

8割まで一気に仕上げることが重要だと述べた。けれど、どんな種類の仕事でも、手早く8割まで進められる訳ではない。人には興味関心や得意不得意の偏りがある。よく言われるように、苦労を感じず人より早く終えられる仕事を、手元に置けるようにした方がいい。

しかし、言うは易く行うは難し。そう簡単にそのような仕事を獲得できれば、そう苦労はしない。上司に「私に向いている仕事だけ下さい」なんて言ったって、もらえるはずがない。本書では、そのような状況を打破する一助が書いてあった。

 

やりたい仕事があったら、上司に頼む前にまずやってみる、です。  私の話で言えば、ほとんどのやりたいプロジェクトに関わるために、まずは目に見える成果物(プロトタイプ)を2、3日で完成させて、「これどうですか? この仕事進めませんか?」と上司のもとに持っていきました。

 

簡単なものでいいので、自分で形をつくってやってみせることで、上司に肌でその価値を実感してもらい、仕事を集まりやすくする。自分の上司が自分への仕事の発注者なのだから、自分のCapabilityを上手にPRすることはごくごく自然なことだと、営業部門の活動を見れば分かるだろう。

 

まとめ

手早く仕事をやっつけるためには、以下を意識しよう。

・余裕が多少あるときに

・一気に8割の完成度まで上げる

・その後はレビューを受けてゆっくり仕上げる

・そもそも得意な仕事が来やすいよう、実際にアウトプットのプロトタイプを作って上司の理解を得る

 

 

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

 

 

 

 

 

科学的に健康に良い証拠がある食材とは

毎日のように、こんな食事が健康にいいと紹介してくる本やTV番組が多い。なかには、食事量と健康に関する値に、ちょっとした相関があるくらいで、「科学的」として推奨してくるコンテンツもある。こういったエセ科学的なものを正してくれる本が、以下だ。

 

 

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

 

 

本書でいう科学的とは、以下のようなメタアナリシスで結果が出ていることを言う

 

最強のエビデンスとは、メタアナリシスという研究手法によって導き出された結果である。 メタアナリシスとは、複数の研究結果をとりまとめた研究手法である。

 

ここで「最強」と表現している所以は、とりまとめの対象となっている複数の研究結果が、ランダム比較実験によるものだからだ。最高のエビデンスが明らかにしてくれている事実を整理してみていこう

 

 

健康にいい食材

① 魚

② 野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)

③ 茶色い炭水化物(もちろん、白米やパスタ麺、うどんは含まない)

④ オリーブオイル

⑤ ナッツ類(うれしいことにカシューナッツも含む)

 

糖質制限の方法で知られているやり方は、果物も糖分を含むものとして避けることが多い。しかし、エビデンスレベルが高い研究では、果物を食べる方が実は痩せやすいという結果が出ている。

また、ナッツは安く調達できることもあって、間食にオススメだ。

 

健康に悪い食材

① 赤い肉(牛肉や豚肉のこと。残念ながら霜降りも含むが、不幸中の幸いとして鶏肉は含まれない。ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い)

② 白い炭水化物(もちろん、白米やパスタ麺、うどんを含む)

③ バターなどの飽和脂肪酸

 

赤み肉に発がん性があるとして、WHOが宣言したことは記憶に新しい。鶏肉は大丈夫とのことで、どんどん焼き鳥屋に行こう(?)

結論

健康に悪い食材を避け、よい食材のみをひたすらに食べる。食べ方とか、調味料とか、そういったものを気にすることなしに、食材のみにフォーカスしてみよう。シンプルにしないと、なかなか続かない。

 

具体的なメニューとしては、以下のようなものがあるだろう。

主食は魚、魚がなければ野菜。物足りなければ蕎麦だ。玄米が選べれば言うことはないが、なかなか準備はしづらい。

間食にはナッツ。どうしても甘いものが欲しければ果物だ。これはコンビニに小さくカットされたリンゴなどがあるので、試してみてほしい

オリーブオイルは普段選べる機会が少ないので、無視していいのではと考えている。

 

 

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

 

 

 

 

きちんと休んでるつもりなのに、脳の疲れがとれないのは何故だろうか

それは、以下の2つを意識して活動できていないからと知った。

・脳の疲れを癒やす行動

・脳を疲れさせる行動

体を休めるのと、脳を休めるのでは、大きく手段が異なる。体だけを休めていても、ちっとも脳は休まらない。脳を休めることについては、以下の書籍が参考になる。

 

 

世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

 

 

この本は、要するにマインドフルネスを紹介している。以下では、脳の疲れを癒やすためのDo & Don'tをみていこう。

 

 

Do:脳の疲れを癒やす行動

 

・呼吸による瞑想

呼吸をするときに、回数を数える。10までいったら、また1に戻る。こうすることによって、雑念を追い払い、今の自分自身の状態に集中することが出来る。

睡眠に入るときだけでなく、普段のちょっとした時間に2−3分でいいから試してみてほしい。

この呼吸方法の詳細は以下だ

① 基本姿勢をとる ・椅子に座る(背筋を軽く伸ばし、背もたれから離して) ・お腹はゆったり、手は太ももの上、脚は組まない ・目は閉じる(開ける場合は、2メートルくらい先を見る) ② 身体の感覚に意識を向ける ・接触の感覚(足の裏と床、お尻と椅子、手と太ももなど) ・身体が地球に引っ張られる重力の感覚 ③ 呼吸に注意を向ける ・呼吸に関わる感覚を意識する(鼻を通る空気/空気の出入りによる胸・お腹の上下/呼吸と呼吸の切れ目/それぞれの呼吸の深さ/吸う息と吐く息の温度の違い…など) ・深呼吸や呼吸コントロールは不要(自然と呼吸がやってくるのを「待つ」ような感覚で) ・呼吸に「1」「2」…「 10」とラベリングするのも効果的(→lecture3) ④ 雑念が浮かんだら… ・雑念が浮かんだ事実に気づき、注意を呼吸に戻す(呼吸は「意識の 錨」) ・雑念は生じて当然なので、自分を責めない

 

Don't:脳を疲れさせる行動

 

・マルチタスク

これは脳に大きな負荷をかける。シングルタスクにした方が、最終的には効率がいい。マルチタスクだと、例えば1時間で並行して2個の仕事やれるように思えるかもしれない。しかし、その後の生産性に大きく悪影響を与えているのだ。土日で休まるレベルではなくなってくる。

さらに、これは仕事だけの話ではないことにも留意したい。作業をしながら音楽を聴く、スマホを見ながら食事をする、なども含まれる。こうした事の積み重ねが、脳を疲れさせるのだ。

 

・ネガティブなことを考える

脳科学的に悪影響を与えることが明確に理解されている。上述した瞑想の呼吸方法などによって、意識を今に集中させるのがいい。嫌な考えが浮かんでくることは止められないが、その後の処理は自分で出来るのだ。テクニックとして、その考えに名前をつける(Xへの嫉妬、Yの失敗)と、考えを捨て去りやすくなる。

 

この本は以下のようなことも言っている。心理学のアドラーも同じことを述べており、心理学と脳科学の一致に驚く人もいるかもしれない。

脳のすべての疲れやストレスは、過去や未来から生まれる。すでに終わったことを気に病んでいたり、これから起きることを不安に思っていたり、とにかく心が いまここ にない。この状態が慢性化することで心が疲弊していくんじゃ。

 

 いまここに生きる、ことの重要性は心理学だけでなく脳科学的にも認識されている。

 

脳の疲れを癒やすだけでなく鍛えることも出来る

ここまで、脳を疲れさせる原因を除き、癒やす効果のある行動をみてきた。これらは、脳の状態をいわばマイナスから0にするだけでなく、0からプラスへ、つまりトレーニングとして脳を鍛えることにもつながる。ぜひ、習慣として取り入れてほしい。

 

 

世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

 

 

 

 

 

 

 

短時間トレーニング(タバタ)の頻度と内容はどうすればいいのか?

健康のために、家トレをし始めました。体力も代謝も落ちてきて、流石に運動強度を上げないといけないなと痛感しています。一方、可処分時間が増えるかというとそんなこともなく、いかに短時間で効率よく運動するか、ということにフォーカスせざるを得ません。

 

幾つか調べていると、短時間運動の旗手と呼べる「タバタ式トレーニング」に出会いました

 

 

究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング

究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング

 

 

 

タバタ式の概要

 

すぐ分かったこととしては

 

・4分間でいい(20秒運動、10秒休憩を8回)

・有酸素でもあり無酸素でもある

・元々はオリンピック選手向けに大学教授が開発したもので、効果とエビデンスは抜群

・週2,3回で十分

 

あたり。

 

タバタ式の頻度:毎日はダメ?

 

答えとしてはOKです。むしろ習慣化の観点から、毎日すべきです。

 

週2,3回なら楽でいいじゃんと思われるかもしれません。でもですね、習慣化したい私としては、毎日やりたいのです。毎日やらないと習慣化せず、どこかで直ぐに止めてしまうかもしれません。習慣化の工夫も入れ込むべきです。また、何曜日にやったか覚えたり、覚えるためにメモしたりするのは面倒くさいですよね。毎日やりましょう。 

 

毎日やる場合はどうなるのか?それを調べたいと思います。

 

・そもそも非常なまでに体を締め上げるので、毎日出来たらタバタ式ではない

 

という主張もよく目にします。定義から外れるのかもしれませんが、その場合健康への効果がゼロになるのかというと、私としては疑問です。

 

毎日やっても、効果がある程度ででも持たせるような内容とは、一体どのようなものでしょうか。

 

タバタ式を毎日やる場合のパターンは?

 

どうやら筋トレと同じで、部位別にやると毎日できそうです。心拍数の追い込みは、この際妥協します。

 

ご存じない方のために、簡単に筋トレの話をします。筋トレの効果は、筋肉の破壊→再生→破壊→再生のサイクルを回すことによって向上します。再生していない部位を再度破壊しても、効果は大変低いものになります。必ず再生を待った後(その間は別の部位をやる)、同じ部位の破壊に取り組みます。

 

筋トレの部位の分け方は様々なパターンがありますが、上半身→下半身の2パターンや、上半身を2つに分けて①引く運動②押す運動を別々にやるパターンがあります。これに腹筋や全身運動を足せば、毎日トレーニングしながら回復を十分に待つことが出来るというわけです。

 

タバタ式は、20秒の内容を細かく決めていません。自分で自由に組み合わせを作ることが出来ます。自分自身の回復速度に応じて、部位を決めればよいのです。どの部位をやったか忘れることを危惧する人もいるかもしれませんが、筋肉痛や疲れの度合いから自動的に分かるはずです。疲れてる部位でのトレーニングなんて、出来っこありませんからね。

 

タバタ式の各動作の内容は?

 

文字と絵だとわかりにくいので、youtube動画を探すといいです。部位やキツさでバリエーションがあるので、色々と試しながら今の自分にあったものを見つけてみてください。

 

検索ワードとしては

・タバタ式

・tabata(英語の方がコンテンツは多いです。理由は後述)

で十分でしょう。あとはトレーニングとかworkoutとかを足してください。

 

あと覚えておくと良いのは、

・youtube動画のもう一つの良さとして、(非同期だけど)人と一緒にやれるので、モチベーションが上がる

・タイマーアプリもあるから、スマホがあれば動画でなくても実行出来る

 

ですね。

 

タバタ式が広まった経緯として、タバタ教授の論文→海外で一般トレーニング用途でも盛り上がる→日本に逆輸入、なので、tabataで検索したほうがよい動画や資料が集まる感触を得てます。(詳しい研究結果をご存知の方は、ぜひ教えてください)

 

 

毎日、部位別の動画をみてタバタ式トレーニングをしましょう!

 

究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング

究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング

 

 

なぜ健康ノウハウを探し続けるべきなのか

世の中には、様々な健康ノウハウが知られています。食事、運動、睡眠を筆頭に、温泉やら磁気やら次から次へと出てきます。きっとあなたも、自分で気になった分野で試したことがあるかと思います。

 

ただし、沢山ある健康ノウハウから一つ選んで試してみたものの、あまり成果がでないこともあります。それきりこういった山程出てくる健康ノウハウ全体を怪しいものと思ったこともあるかもしれません。最近本を出版した有名な鍼師によると、万人に効く健康ノウハウなど無く、それぞれ個人にあった方法を追い求めるべきなのだそうです。

 

寝てもとれない疲れをとる本

寝てもとれない疲れをとる本

 

 

本のタイトルは、この記事の趣旨と異なるように思えるかもしれません。けれども、この本は「寝てもとれない疲れ」についてというより、人をタイプに分けた上で使うべき健康ノウハウを教えてくれるものです。

 

 

疲れ対策のタイプの決め方

 

この本では、チャートに沿って簡単な質問に答えることで、あなたの疲れ対策タイプが分かるようになっています。ただし、このタイプは絶対というものではない点に注意する必要があります。幾つかのタイプをまたいで試してみて、自分にあった対策を考えなければいけません。

 

一応、東洋医学にて確立されたタイプのようですが、詳細は省きます。本を買って読んでみてください。著者は、元グーグル日本法人トップの村上氏などエグゼクティブを顧客に抱える有名な鍼灸師とのことなので、なかなかに研鑽を積まれている方のようです。

 

タイプの決め方は東洋医学ベースであるためか、データで根拠をはっきりと示しているわけではないことに注意が必要です。そうであっても、一般論としては疲れのタイプが人毎にあることは説得力がありますし、幾つか仮説をおいて自分のタイプを探りつつ、疲れを適切にとる手段を探し続けることが大事といえます。

 

少しだけ鍼の話

 

著者は鍼灸師ということもあり、鍼の話題が幾つかのページを割かれて書かれています。私は鍼については深くはしらないのですが、

 

勢いよく押し込んだり、思わず声が出てしまうほど強く押すのは、本当のツボ押しではありません。

 

と強調されていたことは、留意したいと思います。良い鍼灸師探しにも役に立つのではないでしょうか。

 

 

寝てもとれない疲れをとる本

寝てもとれない疲れをとる本

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜ民間企業こそが国際的なルール形成に関わるべきなのか

それは、市場そのものの創出を促すからだ。

 

ここでいうルール形成とは、国際標準化だけでなく、産学官のフォーラムや規制関連など、広い意味での活動に関するルールを作り出すことを指している。

 

欧米ではロビーイングにより政治に働きかけ、協同して市場を作ることはよくある。一方、日本ではロビーイングというと、どうしても政府が率先して作ったものを民間企業が黙って従うもの、という印象がまだある。しかし、最近になってようやく注目を浴びてきた。

 

幾つかのキーポイントをここでまとめていきたい

 

参考文献:

 

世界市場で勝つルールメイキング戦略 技術で勝る日本企業がなぜ負けるのか

世界市場で勝つルールメイキング戦略 技術で勝る日本企業がなぜ負けるのか

 

 

 

 

 

なぜ民間企業が率先して作らなければいけないのか?→それは作り手にしか分からない暗黙の了解があるから

 

 

 

ルールづくりに参加した者だけが共有している暗黙の了解がある。でき上がったルールを後から読むだけでは駄目なわけだが、それはともかく、国際ルールづくりの現場には日本人であれば到底できないような考え方が渦巻いている

 

 

明文化されたルールと、そのルールの運用は暗黙的に行われることはよくある。やはり、実際に作成時点で参画してこそだ。

 

どのようにして、創出した市場で利益を獲得できるか?→ルール形成の過程から工夫して特定の技術を外し、クローズ化をするとよい

 

ルール形成を行って市場を無事に作れたとしても、各社がその市場で同じ製品を平等に売ったとしたらどうなるだろう?コモデティ化をたどり、利益は得られなくなる。

 

古くはオープン・クローズ戦略で知られているが、特許やノウハウなどで特定の技術(ここではサービスの提供手段くらいに理解してほしい)を他社が使えないようにする。

 

そうすることで、新規市場のなかで独自の製品が提供でき、独自の利益を獲得できるようになる

 

ある技術が社内にあるとき、どんなルールを作ったらいいのか→その技術の使い方をルール化することで市場を作り出す

 

技術の軸はすべてクローズであるべきと捉え、社会においてその技術の使い方、 活かし方に関するルールを標準化する

 

例えばとても切れ味のよい包丁の製造技術がある場合、そのような包丁だからこそ作れる刺し身の品質を標準化するとよい。

 

自社単独の技術で、サービスを作り出せない場合は、当然他社と組めばよい。共同でルール化を行うことになる。

 

どうやって社内を説得してルール形成への参画を始められるのか?→抽象論による効用の説明だけでは不足で、定量的に市場が伸びることを示すとよい

 

そのルール形成で「自社にこれだけの利益アップをもたらすはず」「競合に議論をリードされると(自社商品・サービスの市場評価が下がり)これだけのシェアダウンのリスクがある」という数字での説明をできることがルールメイキング戦略の第一歩となる。

 

定量的な計算を実際に行うことは中々に難しいところがある。一つのやり方としては、収益構造をフィッシュボーンで分解し、バリュードライバーを特定してルール形成による寄与をシミュレートすることで、仮説ではあるが算出することができる。

 

参考文献には

 

社会的意義や中長期的な戦略性、また他社にルールづくりで先を越されてしまった場合の影響を語ったホラーストーリーを定性的に説いても、企業でルールメイキング戦略の初動をスムーズにすることにはつながり難い。

とあるが、これは会社によって意思決定における癖みたいなもので分かれるだろう。必ずしもホラーストーリーが効きづらい企業ばかりではないように思える。

 

今回は事業を伸ばす一つのファクターとして、「ルール形成」を紹介してみた。ぜひ検討してみてほしい

 

参考文献:

世界市場で勝つルールメイキング戦略 技術で勝る日本企業がなぜ負けるのか

なぜ痩せたままでいることが出来ないのか?

答:なぜなら、ダイエットが習慣になっていないから

 

時代が進歩するにつれ、いくつもの新たなダイエット手法が生まれています。しかし、どの方法を採用しても、「痩せる」ことは出来ても、「痩せた状態を維持する」ことは大変難しいです。

 

痩せる方法自体はどんな方法でもいいのですが、その後に状態を維持することが重要です。そこで、「習慣の力」を利用して体型を維持し続ける方法論をお伝えします。

 

 

問:なぜ習慣になっていないのか→答:脳はゆっくりとしか変化しないから

 

例えば、糖質制限についてお話しましょう。急に糖質をカットすることになったら、最初は意志の力で2,3日、もしくは1週間続いて多少痩せたとしても、突然の食欲を押さえきれず、ドカ食いしてしまう人は結構います。無理やりに糖質を摂取しない体を作ろうとしても、大きな拒否反応を引き出してしまうのです。

 

もちろん、人間は本来的には環境の変化に対応できる生物です。脳は変化自体はするのですが、その速度は極めて低いものなのです。意志の力でどうにかなるものでは決してありません。そう簡単には習慣にならないのです。

 

習慣にならなければ、一旦は痩せることがたとえ出来たとしても、どこかのタイミングでまた太るようになってしまいます。したがって、習慣化できなければ痩せた状態を維持することは出来ません。

 

問:どうすれば脳の変化を起こせるか→答:苦労と思わない範囲で目標を設定すればよい

 

上の方で拒否反応について書きました。一気に1日の糖質ほぼゼロみたいな食生活にすると、数日後に意思では押さえられない本能が暴走し、気づいたらお米をバカ食いしているような状況になります。脳が通常からの変化分をモニタリングしていて、そこから逸脱が大きいようだと拒否反応してしまうのです。

 

脳が体の変化に追いついていないまま突っ走りすぎると拒否反応が起きてしまう。意志の力ではなく、脳の自然な変化を重視させましょう。脳をうまく騙せるような、非常に小さな範囲に収まるように、体の変化を始めるのです。糖質制限の例えで言えば、「1食分の糖質を減らす」では大きすぎます。次の章で説明するように、「一口分減らす」レベルから始めるべきなのです。

 

問:苦労と思わない目標設定は、どうすれば出来るか→答:どんな日であっても絶対に失敗しない最低限の範囲に設定しましょう

 

「なぜ一口分なのか?あまりに小さすぎないか?」と思われたかもしれません。でもこれがいいのです。日によって、お米が食べたいこともあるでしょう。そこで我慢させてしまうような分量では効果がありません。

 

 どんなコンディションの日であっても、必ず実行できる必要があるのです。毎日実行できなければ、脳はそれに合わせて変化してくれません。ひたすらに継続することによってのみ、脳が重要な行動だと認知し変化してくれるのです。体の変化はそれからです。

 

もしダイエットが続かなかった場合、それはそのダイエットの強度が大きすぎて、脳の変化のプロセスにあっていなかったのです。今度からは「辛い」という意識が浮かび上がらないレベルに押さえておきましょう。

 

問:習慣化できるくらい小さな効果のままで意味はあるのか?→答:ダイエット強度を自然に強くしていけるので、効果は大きくなりますし止まることはありません

 

脳が気づかないレベルに小さく事を進めれば、習慣化できることが分かりました。脳への影響が小さければ、体への影響も小さいと考えるかもしれません。少なくとも最初のうちは、確かにその通りです。

 

ただし、ここが面白いところなのですが、仮に一口分だけ糖質を減らし続けていると、ある日「もう少しだけ減らしてみよう」と自然と思いついてしまうことがあります。これは脳の変化が十分に起こり、次のステージに向かう準備が出来たことを示します。「なんだか一口だけ減らすのはもったいないな」というような感覚が湧いてきます。これを続けていると、1食分の糖質を減らしたり、はたまた3食全てで糖質制限が無理なく出来るようになります。

 

ここでは糖質制限を例に出しましたが、運動で言えば筋トレを「1回」だけ行おうとしてみてください。たった1回です。10回ではありません。1回だけなれば、1分もかかりません。10秒以下です。どんな日でも出来ます。

 

この記事が皆さんのダイエットの参考になれば嬉しいです。

 

参考文献

 

書名:小さなダイエットの習慣

 作者: スティーヴン・ガイズ

出版社: ダイヤモンド