手早く仕事をやっつける習慣とは
誰もが追い求めるテーマの一つ。それが仕事の時短化。今回は以下の書籍をベースに、重要なポイントを考えてみる。
なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である
- 作者: 中島聡
- 出版社/メーカー: 文響社
- 発売日: 2016/06/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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段階的に仕事の完成度を高める方法とは
最も重要なポイントは、手早く8割の完成度まで仕上げるということだ。
なぜなら、
・早めに手をつけることにより全体の難易度がわかる
・残り2割を詰めるのは、最初の8割を仕上げるのと同じかそれ以上の労力を必要とするためだ。
・さらに言えば、他人によるアウトプットのレビュー後、やり直す箇所が必ず発生する
ため。
最後の点について付記する。アウトプットを正確に予測して発注できるクライアントは、大変稀な存在。大抵の場合、クライアントというのは、出来上がったモノを実際に目にすれば色々と注文をつけてしまうのなのだ。だから、最初から完璧な成果物を作ろうと考えても徒労に終わることが殆ど。
もちろん、締切当日に8割の完成度で終えるのではない。事前レビューを踏まえ残り2割を詰めるための時間を予め準備しておいて、締切には10割のアウトプットをだす。
そのためには、10割のアウトプットを出す最終締切だけでなく、8割の完成度で仕上げる1次締切をしっかりと決めておくとよい。締切は常に二つ、をキーワードにしたい。
あるべき着手タイミングとは
8割の完成度まで一気に仕上げるタイミングだが、自分自身のリソースに余裕があるときに限る。というのも、リソースがない中で仕事をすると焦ってしまうが、その焦りが生産性を実は下げてしまうからだ。締切間際のほうが集中力がでると思っているかもしれないが、大きな間違い。仕上げの時間が大きく不足する。
大抵の人は、常に複数の案件を抱えているだろう。そういった場合、各案件に集中するタイミングは計画的にずらしていく必要がある。一気に仕上げるには集中力が必要だが、マルチタスクは気が散って生産性がどうしても下がる。また、マルチタスクの方がシングルタスクよりも脳が疲れやすいことも知られているので、やらない方が全体的な生産性は高まる(以下の過去記事を参照)。
そもそもどうやって手早く終えられる仕事を持つか
8割まで一気に仕上げることが重要だと述べた。けれど、どんな種類の仕事でも、手早く8割まで進められる訳ではない。人には興味関心や得意不得意の偏りがある。よく言われるように、苦労を感じず人より早く終えられる仕事を、手元に置けるようにした方がいい。
しかし、言うは易く行うは難し。そう簡単にそのような仕事を獲得できれば、そう苦労はしない。上司に「私に向いている仕事だけ下さい」なんて言ったって、もらえるはずがない。本書では、そのような状況を打破する一助が書いてあった。
やりたい仕事があったら、上司に頼む前にまずやってみる、です。 私の話で言えば、ほとんどのやりたいプロジェクトに関わるために、まずは目に見える成果物(プロトタイプ)を2、3日で完成させて、「これどうですか? この仕事進めませんか?」と上司のもとに持っていきました。
簡単なものでいいので、自分で形をつくってやってみせることで、上司に肌でその価値を実感してもらい、仕事を集まりやすくする。自分の上司が自分への仕事の発注者なのだから、自分のCapabilityを上手にPRすることはごくごく自然なことだと、営業部門の活動を見れば分かるだろう。
まとめ
手早く仕事をやっつけるためには、以下を意識しよう。
・余裕が多少あるときに
・一気に8割の完成度まで上げる
・その後はレビューを受けてゆっくり仕上げる
・そもそも得意な仕事が来やすいよう、実際にアウトプットのプロトタイプを作って上司の理解を得る
なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である
- 作者: 中島聡
- 出版社/メーカー: 文響社
- 発売日: 2016/06/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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